私のトリセツ

気をつけてください!

同窓会のような雰囲気

トイレで世界をめぐる仕事的体験が開かれた。アジア、ヨーロツパ各国を中心に14カ国が集まり、その中には、日本での国際トイレシンポジウム以来の顔なじみも少なくない。トイレ改善への使命感を持ちつつ、旧知の仲の同窓会のような雰囲気すらあつて、トイレが取り持つ縁の国境を越えた不思議な関係である。サミットの最後には「トイレファミリー」という表現で締めくくられたが、まさにファミリーそのもので、世界各国に散っていたファミリーが結集したという感じである。台湾会議のテーマは、山岳地トイレと観光地トイレであった。会議の合間を縫って陽明山国立公園の公衆トイレを見学する。山といっても台北の市街地に近く、山の中を山岳道路が縫い、都市公園のような設備も整っている。自然環境はそれほど厳しくないといつても、台湾を代表する建築家が設計して完成した山の公衆トイレは、日本の公衆トイレの水準と少しも引けを取らない内容・デザインになつている。ところが、そこからちょつと離れて別のトイレを見つけると、同行者の多くがなぜか納得したのだった。そこには日本でもごくふつうに見られる快適性に欠ける古いタイプのトイレがあつた。台湾も日本と同様、公衆トイレの改善途上にあることが確認できたからに違いない。